子どもの肥満について 戻る

          1998.10.28 村上美貴子
                                  

 【1】はじめに

   (1)本日のお話しの趣旨とねらい

   (2)肥満とは…   (3)肥満の年齢的な特徴   

 【2】肥満が及ぼす影響

   (1)医学的背景   (2)心理的背景

 【3】肥満児の増加と予防   

   (1)なぜ肥満児が多くなったのか   (2)年齢別肥満予防

 【4】肥満児指導

                                    

【1】はじめに

   (1)本日のお話しの趣旨とねらい

      @小児期の肥満の重大さを知っていただくこと

      A肥満が及ぼす影響を知っていただくこと

      B肥満児の増加と予防方法を学び、指導に役立てていただくこと

   (2)肥満とは…

      肥満(obesity オベシティ)とは体重の中で体脂肪が多すぎる

      状態を言います。

    ※身長の割合に体重が重いという意味の過体重(over weight

     オーバーウエイト)のことではない。

   (3)肥満の年齢的な特徴

    増殖型…脂肪細胞の数をふやす(乳幼児期)

       

    肥大型…脂肪細胞が大きくなる(思春期以後)

       

    混合型…脂肪細胞の数を増やすと同時に脂肪細胞そのものも 

          大きくなる(乳幼児期と思春期の中間の年齢)


               −1−

                     脂肪細胞の大きさ

 (μg Lipid/cell)        

                      脂肪細胞の総数

    0,8                  30 (×109)
脂                                       肪                             脂

細  0,6                      20  肪

胞                             細

の                             胞

大  0,4                      10  の

き                             総

さ                             数

       治  治      治  治

       療  療      療  療

       前  後      前  後

   図1 肥満児の治療前後における脂肪細胞の

     大きさと数の変化(Brook)


∇脂肪細胞は、一度増加すると消失しない。特に乳幼児期に肥満した子どもは

 治療後やせても、脂肪細胞は縮んだままで体内に残っている。その状態で再び

 成人期に肥満になると、成人になって初めて肥満した人(肥大型肥満)より

 脂肪が多く、肥満になる危険性が大きい。

 (参)小児期に肥満だった子どもが一度やせても、大人になって再び肥満にな

   る率が60〜80%と高い!!


  ─小児期の肥満が成人肥満につながりやすい─

      小児期の肥満は重大な意味をもつ

 肥満は子どもが成人になって

   健康を害することと深く関係 


             ─2─

【2】肥満が及ぼす影響

   (1)医学的背景

     @肥満   糖代謝(糖尿病)

     A肥満   肺(換気不全、呼吸障害)

     B肥満   心臓と血管(心肥大、心不全、高血圧)

     C肥満   運動機能(運動能力の低下)

             

              肥満度が正常なものをグル−プ@,

              中等度肥満のグル−プをA,高度肥満

              のグル−プをBとする。

              50m走,100m走,垂直跳び,

              立幅跳び,ソフトボ−ル投げ,懸垂の

              6種類の総合評価点の各グル−プ平均

              を,@のグル−プを100として比較

              したもの。

               男女とも肥満が高度になるに従い、

               運動能力が大幅に低下している。

   (2)心理学的背景

     ●家族関係

       過保護の傾向が強い。

     《例》子どもが活発に動き回ることがけがをする、事故にあうと

        いった危惧につながり運動を制限。

     ●交友関係

       子どもの遊びは一般に体を動かすものが多い。肥満児は積極的

       に参加しにくい。→仲間とうまく遊べない。→仲間はずれ

 ※保育者や家族が子どもの長所を引き出し、 生活に自信をもたせてあげることが必要!

            ー3ー

【3】肥満児の増加と予防

   (1)なぜ肥満児が多くなったのか

     ◆食生活の変化

       インスタント食品、ジュース・清涼飲料水の自由入手

       (参)ジュース類に人工甘味料の添加が禁止されて以来

          甘味が砂糖でつけられるようになった。

           ⇒ジュースや清涼飲料水の中に大量の砂糖が混ぜられる 

     ◆運動量の減少

      〇広場→住宅地

      〇塾通いの子どもの増加→子どもの遊ぶ時間減少

      〇カラーテレビの普及

   (2)年齢別肥満予防

     ◆乳児期

      〇母乳授乳の奨励:人工乳だと濃いミルクを与えてしまう危険性

       (例)人工乳を与えるとき哺乳びんの中のミルクの量が見える

          ため、残さず飲ませようとする

      〇砂糖入り飲料を与えない

     ◆幼児期

      ◎食事を制限しない:むら食いが特徴

                子どもが元気な限り、食事を強制しない

                食事の時間一定

                栄養バランスのとれた献立

                しからない

      ◎おやつ内容を考える:(○)手づくりのビスケット、プリン

                 (○)番茶、麦茶、牛乳

                 (×)市販のコーヒー牛乳などの加工乳や

                    砂糖の入った飲料水

                    →歯を守るためにもよい



                ─4─

      ◎食べ物にけじめをつける:大人の食べ物と子どもの食べ物の区別

                   食べる時間や食べる量の違いについて

                   けじめをつける。

                     ↓

                   食習慣の基本

                     ↓

                   肥満を防ぐ

  子どもの頃から肥満にならない

       生活習慣をつけることが大切!!

【4】肥満児指導

   1.生活リズムを変えること 

    ●生活リズムを整えましょう

    ●一日三食、きちんと食事を摂りましょう

   2.食生活で気をつけること

    ●食事は一人ひとりの皿に盛りましょう

    ●ゆっくりとよくかんで食べましょう

    ●ながら食いはさけましょう

    ●バランスのとれた食事内容を考えましょう

    ●就寝二時間前で食事はストップしましょう

   3.肥満を解消するために

    ●自立心を育てましょう 

    ●がんばっている姿をほめてあげましょう

大人になってからの健康の基礎づくり

であることを認識し、子どもの健康を

共に守り育てていきましょう






                ―5―

━━━━━目次━━━━━


序章


第1章  肥満とは何?

      (1)肥満の定義

      (2)乳幼児の肥満判定法 

      (3)肥満の年齢的な特徴   


第2章  肥満が及ぼす背景と影響

      (1)医学的背景

      (2)心理的背景


第3章  肥満児の増加と予防   

      (1)なぜ肥満児が多くなったのか 

      (2)年齢別肥満予防


第4章  肥満児指導


終章

                ─1─    

序章

 最近、我が国において、子どもの肥満が急激に増えている。

飽食時代といわれる最近の世相、塾通いとカラーテレビ普及などのための運動不足

で、子どもの肥満は増える一方である。私は肥満が将来子どもたちにどのように影

響していくのか知りたいと考え、修了レポートテーマを『子どもの肥満について』

とした。

 子どもの肥満は大変なおしにくく、放っておくと8割の子どもが大人の肥満にな

ってしまう。子どもの肥満は、糖尿病、高脂血症、動脈硬化等の成人病にかかりや

すくなるばかりでなく、心理面の発育にも大きく影響を及ぼし、子どもの時代に形

成された性格が一生を左右するという場合もある。身体面、心理面が形成される大

事な時期に肥満にならないようにしてあげることが我々大人の役目である。

 心理面も含め、子どもの現状を理解し、子どもの健康を守り育てていくには、ま

た、自分も含め子どもが健康で長生きするには今後自分はどうすべきなのかを明ら

かにしたいと考える。

 将来自分が保母となった時、あるいは身近に肥満した子どもがいる時、又は自分

が子どもを産んだ時に子どもの肥満について少しでも知識があればすぐにでも対応

できると考える。

                 ─2─

第1章  肥満とは何?

(1)肥満の定義

   肥満とは、体内の脂肪が過剰に増加した状態を言う。

(2)乳幼児の肥満判定法

   乳幼児の肥満を判定するには、カウプ指数を用いる。

   カウプ指数は次のようにして求められる。


            体重(g)         

     カウプ指数=      ×10

            身長(p)     


   下の図は、乳幼児の肥満を判定する際の基準値である。











   肥満傾向として注意されるのは、乳児(3カ月以降)で20以上、

   1歳6カ月児では19以上、3・4歳児では18以上、5歳児で

   は18.5以上である。

(3)肥満の年齢的な特徴

   肥満には増殖型、肥大型、混合型という3つの型がある。

   増殖型とは、乳幼児期に脂肪細胞の数を増やすものである。

   肥大型とは、思春期以降に脂肪細胞を大きくするものである。

   混合型とは、脂肪細胞の数を増やすと同時に脂肪細胞そのものも

   大きくなる。これは乳幼児期と思春期の中間にみられる。

   脂肪細胞とは、脂肪を蓄積する細胞のことである。

                ─3─













 図2のグラフは、ブルックという人物が肥満児の治療前後における脂肪細胞の

大きさと数の変化を調べたものである。このグラフを見てわかることは、まず脂

肪細胞の大きさは治療すれば小さくなるということである。次に脂肪細胞の総数

というのは治療して痩せたとしても、数は減らないということである。肥満児を

治療して痩せさせても、脂肪細胞が縮んだままで体内に残っている為に、子ども

の肥満は大人の肥満につながるのである。子どもの肥満がよくないと言われる理

由も、子どもの肥満の約8割が大人の肥満につながるとされる為である。つまり

肥満した子どもを治すには難しいということがあり、また脂肪細胞の数の増加を

元の常態に戻すことは難しいということがあげられる。子どもの肥満が大人の肥

満につながることを考えれば、子どもの肥満は重大な意味を持ち、肥満は子ども

が大人になって健康を害することと深く関係していくのである。


第2章 肥満が及ぼす背景と影響

 (1)医学的背景

  子どもの肥満が進むと糖尿病(血液中の糖分をコントロールするインスリンと

  いうホルモンの効果が悪くなる)、高脂血症(血液中の脂肪が多くなる)、動脈硬

  化(動脈が狭く詰まりやすくなる)といった症状を引き起こす。

  子どもの肥満の80%は、大人になってからも肥満を持続し、心筋梗塞(梗塞と

  は主として動脈硬化から起こり、血管が詰まって血流が途絶えてしまうことで、

  突然死亡したり、麻痺などの重い障害を残したりする)を起こしやすくする。

                ─4─

(2)心理学的背景

  ●家族関係

  肥満した子どもを持つ家族の傾向としては、過保護の傾向が非常に強い。特に

  幼少時に子どもが活発に動き回ることが、けがをする、事故に遭うといった危

  惧につながり、運動を制限する。また肥満した子どもを持つ親は、自発性、積

  極性に欠けることが多く、子どもの肥満を気にはしていても特に治療に気をつ

  かうことはない。肥満した子どもの方も親に依存的な面を持っている所があり、

  残さず食べれば親が喜ぶということを知っている。

  肥満した子どもは、親から与えられた物を与えられただけ食べるということを

  理解し、保育者や家族は肥満しそうな子どもを早期発見、早期予防してあげる

  ことが必要である。健康とは日頃の小さな積み重ねがあって初めて得ることが

  できるものである。保育者や家族の在り方として、子ども自身が健康について

  考えられる子に育てあげなければいけないし、子ども自身健康で生き生きと生

  活できるように我々大人は指導をしていかなければいけない。

 ●交友関係

  子どもの遊びは一般に体を動かすものが多く、肥満した子どもは積極的に参加

  しにくいという現状がある。また内向的な性格も重なって仲間とうまく遊べな

  いことが多い。

  思春期になると、異性の問題も加わる。肥満した子どもは容姿に自信が持てな

  い為、劣等感、仲間外れ、拒絶うつ状態といった種々の心理的・情緒的問題を

  抱える。肥満した子どもが自分の容姿に自信が持てないのは、一般社会の中で

  肥満していない人達が肥満した子どもを意識的・無意識的に拒絶する為である。

             

              この図は、運動能力の低下を示したものである。

              肥満度が正常なものをグループ@、中等度肥満のグ

              ループをA、高度肥満のグループをBと分け、3つ

              のグループにそれぞれ50m走、100m走、垂直

              跳び、立幅跳び、ソフトボール投げ、懸垂の6種目

              を測定させた。6種目の総合評価点の平均を各グル

              ープごとに出し、@を100としてA、Bを比較し

              たものである。男女とも肥満が高度になるに従い、

              運動能力が大幅に低下しているのがわかる。



                ─5─

  欧米では思春期の男の子が運動能力の低下からスポーツの仲間に入れないと悩

  み、女の子はスタイルの悪さから生活に自信を失っている。

  思春期となり、男の子がスポーツの仲間に入れないと悩むことがないよう、ま

  た女の子がスタイルの悪さから生活に自信を失わないように乳児期の頃から保

  育者や家族が子どもの長所を引き出し、生活に自信を持たせてあげることが必

  要である。



















《肥満度の算出法》

 肥満度が30%以上の者を中等度肥満者と呼び、50%以上の者を高度肥満者

 と呼ぶ。

        実測体重−標準体重

  肥満度=            ×100(%)

           標準体重

 標準体重は、年齢別でなく、性別、身長別にみたときの標準の体重である。





                ─6─

第3章  肥満児の増加と予防

(1)なぜ肥満児が多くなったのか

   飽食時代を反映して、子どもたちの肥満が急増している。

               この図は、1977年から1991年の15年間

               の結果を3年ごとにまとめたものである。男子は

               1985年まで、女子は1980年までは横ばい

               であったものが、それ以降急増している。

               子どもの肥満が増えている原因として家族構成の

               変化、食生活の変化、運動量の減少の3つがあげ

               られる。









@家族構成の変化

 一家族内の子どもの数が少なくなってきた。そのために子どもは家族の中で最も

 貴重な存在となり、大事に扱われている。食べ物一つにしても十分に食べさせよ

 う、十分に与えようという傾向になってきた。そのことができるのも子どもの人

 数が少なくなってきた為である。家族構成が変化してきたこと、すなはち子ども

 の数が少なくなったことが子どもの肥満が増えてきた原因の一つである。

A食生活の変化

 現代はインスタント食品、ジュース、清涼飲料水など安くて口に合う物、甘い物

 が自由に手に入る時代である。大量の砂糖が入っているジュースや清涼飲料水を

 街頭で自由に子どもたちが買って飲む為に過剰に糖分を摂取し、子どもの肥満

 を増加させる原因となっている。

B運動量の減少

 現代は子どもの遊び場がほとんどなくなり、みんな住宅地に変えられてしまった。





                ─7─

 またかつて子どもたちの楽しい遊び場であった道路も自動車普及の為、危険な遊

 び場と化してしまい、遊ぶことができない現状にある。また、団地の上階に住ん

 でいる子どもは、外に遊びに行くのに不便な環境の元にあり、外に出ないまま家

 の中で遊ぶ、又は寝転んでおやつを食べながらテレビを見るといった生活を送っ

 ている。カラーテレビの普及で子どもたちの興味・関心をひくものが次から次へ

 と流され、子どもの運動する機会を奪い、肥満児をより多くしている。それに塾

 やおけいこごとに通うといった風潮が全国的に広がり、子どもが自由に遊べる時

 間が少なくなった。遊ぶ時間が少ない上に子どもの遊びは、テレビゲームなど身

 体を動かさない遊びが主流で、遊びの中に運動がない状態である。運動量の減少

 は肥満児を多くしているだけでなく、本来子どもの時期に育たなくてはいけない

 やさしさだとか人を思いやる心なども奪っているように私には思える。子どもの

 時期にこそ季節の移り変わりを肌で感じ、自然と触れ合うことを通して、また外

 で元気よく駆け回ることを通して肥満児が増え続けないことを願う。

(2)年齢別肥満予防

 肥満予防にについて、乳児期と幼児期を区別して述べる。

◆乳児期の肥満予防として2つ述べる。

 まず最初に母乳授乳を奨励する。母乳授乳の乳児は肥満しないとは言えないが、

 新生児から3カ月くらいの間は母乳が優れていると言われる。また母乳だと人工

 乳のように濃いミルクを与えてしまう危険性はない。また人工乳だと哺乳びん中

 のミルクの量が見える為に、若いお母さんは残さず飲ませようとがんばってしま

 う傾向がある。強制してミルクを飲ませたり、濃いミルクを与えない為にも母乳

 授乳を奨励する。しかし現代社会では、ダイオキシン問題があり、母乳授乳が絶

 対良いとは言えなくなってきているのではないかと、私は思った。ダイオキシン

 を含む母体の乳を飲む赤ん坊には、母体の10倍もの影響が及ぶという記事を見

 たことがある。ダイオキシンが母乳および胎児に及ぼす害について、もっと詳し

 く知りたいという意欲が、子どもの肥満を調べていてわき出た。

 次に砂糖の入った飲料を与えないことである。子どもが乳児期に甘い物を欲しが

 るのは、過去に親から甘い物を与えられた経験がある為である。乳児期肥満予防

 として、食べ物の与え方を慎長にし、特に砂糖を加えた飲料は極力飲ませないよ

 う注意することである。





               ─8─

◆幼児期の肥満予防として3つ述べる。

 まず最初に食事を強制しないことが肥満予防につながる。例えばハンバーグは食

 べるが、横に添えてある人参は食べない、といったむら食いが幼児期の特徴であ

 り、子どもが元気な限りは、『人参を食べなさい』『残さず食べなさい』と、口

 うるさく強制しないことである。しかし食事の時間はきちんと守り、いつも栄養

 のバランスのとれた献立を考えるべきである。

 献立を一生懸命考え、丹誠込めて作った料理を食べてくれないこともあるが、叱

 らず温かい目で見守る必要がある。

 次におやつ内容を考え直すことである。好ましいおやつとは、手作りのビスケッ

 トやプリン、家庭で適度な味つけのできるプレーンヨーグルトである。なぜ手作

 りにこだわるかと言えば、自ら砂糖の量を加減できる為である。また、市販の物

 には大量の砂糖が含まれている為である。

 飲み物については番茶や麦茶、牛乳が肥満予防に最適であり、市販のコーヒー牛

 乳や砂糖の入った飲料水は極力飲ませないことである。市販のコーヒー牛乳や砂

 糖の入った飲料水を与えないことは、 歯を守ることにもつながる。

 最後に食べ物にけじめをつけることである。幼児期の頃から子どもの好きなフラ

 イドチキンやハンバーグ、ラーメンやスナック菓子といったものを子どもにひか

 えさせ、また食べる時間や食べる量の違いについても、しっかりとしたけじめを

 つけさせることである。食べる時間や食べる量の違いについて、けじめをつける

 ことができれば肥満を防ぐことができる。子どもの頃から肥満にならない生活習

 慣をつけることが大切である。

第4章  肥満児指導

   最近の子どもたちの食生活問題として次のことがある。


 表2 子どもの食生活の問題点

 1  朝食を食べない子どもが多い。

 2  肉類が多く、魚類が少ない。

 3  野菜嫌いが多く、食物繊維の摂取が少ない。

 4  カルシウムが足りない。

 5  インスタント食品、スナック菓子が多い。

 6  偏食が多い。




                ─9─

最近は夜更かしをする子どもが多く、朝起きられない、又は朝の食欲がないという

理由で朝食を食べない子どもが多い。朝食を食べない結果、子どもたちはまとめて

食べたり、空腹の連続という生活を送っている。子どもたちが1回でまとめて食べ

ると、図6のネズミの実験が示すように、栄養が脂肪に変わる働きが盛んに行われ、

太るもとになる。我々は子どもたちの乱れた生活リズムを理解し、未来ある子ども

たちに生活リズムを整えるよう、また一日三食きちんと食事をとるよう指導してい

かなければならない。

また、母親が子どもの喜ぶおかず、又は料理の簡単なおかずを作る為、肉類が多く

魚や野菜類が少ないという問題がある。また、母親は楽をしたいが為に、塩分や脂

肪の多いインスタント食品を与えたり、図7のように甘いものや油の多いスナック

菓子を子どもに与える問題がある。















肥満児は好きな物を好きなだけ食べる傾向があり、栄養が偏りがちであることを理

解し、バランスのとれた食事内容を考えることが大切である。また子ども自身が自

らの健康について考えられるように我々大人が指導していかなければいけない。大

人になってからの健康の基礎づくりであることを認識し、子どもの健康を守り育て

ていく必要がある。





                ─10─

終章

 子どもが成人となってから、糖尿病、高脂血症、動脈硬化といった様々な成人病

を引き起こさないために、できるだけ早い時期に発見し、解消していくことが今我

々大人に課せられた責務ではないか。また、子どもの肥満を予防し、指導していく

ことも現在求められていることである。

 日常生活において規則正しい生活リズムをつくり、食事に関してもちょとした配

慮をして何でも食べられる子に育てあげ、また肥満児が自信を失う運動も1人1人

にあった、その子の得意とするものを一緒になってみんなが取り組めることができ

れば、肥満を予防するといったことは何ら難しいことではないと感じた。

 肥満が解消して喜ぶ子どもたちの姿に出会える日を夢見て、肥満児指導に力をそ

そいでいきたい。健康で長生きするためには子どもの時代にこそ、正しい健康観を

持っての子育てが必要であることをいつも忘れずにいたい。かけがえのない大切な

子どもたちに、健康ですくすくと育ってほしいという願いを込めながら指導に携わ

っていきたいと考える。




(参考文献)

『小児の肥満』  村田光範 (株)医歯薬出版 1980年

『新・小児保健』 今村榮一   診断と治療者

『大国真彦教授の子どもの成人病からわが子を守る法』 大国真彦著 芽ばえ社

『子どもの肥満はよくなる肥満児教室16年』     川上スミ著 芽ばえ社

『肥満を考え直そう』 小野三 著 不味堂新書

『食事療法シリーズF肥満症・痛風の食事療法』 (株)医歯薬出版編

『メンタルヘルス・シリーズ 肥満』 内山喜久雄監修 同朋舎

『肥満・減量の医学』 衣川湍水著 フレグランスジャーナル社

『わたしたちの健康』 鈴木洋 

『子どもの肥満症(肥満症〈特別企画〉) 村田光範 からだの科学

『肥満教室』

『食生活の問題点』

『肥満の判定』

『肥満の行動療法』



                ─11─

『小児成人病予防健診』

『肥満と血清脂質』

『運動と血清脂質』

『子供の健康 肥満には要注意』 藤田敬之助 毎日新聞社 1996年

『増える幼児の間食 親の夜型生活が影響』  毎日新聞社 1996年

『健康調査 危機的な子供たちの衰弱』    毎日新聞社 1996年

『朝食抜き…困った世界的傾向─一各国の研究者が報告』毎日新聞社1996年

『スポーツを、いじめ防止の手だてに』    毎日新聞社 1996年

『保育白書』 保育研究所編 草土文化 1992年

『医療・福祉・保健の総合年鑑ウイバ90』 日本医療企画編

『医療・福祉・保健の総合年鑑ウイバ93』 日本医療企画編

『日本子ども資料年鑑第3巻』日本総合愛育研究所編 中央出版

『日本子ども資料年鑑第4巻』日本総合愛育研究所編 中央出版

『日本子ども資料年鑑1991/92』日本総合愛育研究所編 中央出版

(引用文献)

P.3 図1『新・小児保健』 今村榮一 診断と治療社 P.46

P.4 図2『小児の肥満』村田光範 (株)医歯薬出版 P.101

P.5 図3『小児の肥満』村田光範 (株)医歯薬出版 P.82

P.6 表1『肥満症・痛風の食事療法』(株)医歯薬出版P.5

P.7 図4『保育白書』 保育研究所編 草土文化   P.18

P.7 図5『大国真彦教授の子どもの成人病からわが子を守る法』 

       大国真彦著 芽ばえ社 P.35

P.9 表2『食生活の問題点』

P.10図6『大国真彦教授の子どもの成人病からわが子を守る法』

       大国真彦著 芽ばえ社 P.37

P.10図7『大国真彦教授の子どもの成人病からわが子を守る法』

       大国真彦著 芽ばえ社 P.120

                






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また、母親が子どもの喜ぶおかず、又は料理の簡単なおかずを作る為、肉類が多く魚や野菜類が少ないという問題がある。また、母親は楽をしたいが為に、塩分や脂肪の多いインスタント食品を与えたり、図 のように甘いものや油の多いスナック菓子を子どもに与える問題がある。






肥満児は好きな物を好きなだけ食べる傾向があり、栄養が偏りがちであることを理解し、バランスのとれた食事内容を考えることが大切である。また子ども自身が自らの健康について考えられるように我々大人が指導していかなければいけない。大人になってからの健康の基礎づくりであることを認識し、子どもの健康を守り育てていく必要がある。











































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